∮ファースト・ラブ∮
「うわ~、その言い方ひどいな……でも、まあ、本当のことだから仕方ないけどね」
…………へ?
突然、背後から知った声が聞こえた。
あいちゃんを見れば、口をパクパクして硬直状態。
あたしは恐る恐る、背後を振り返る…………。
『きゃああああああ!!
麻生先輩!!』
あたしの悲鳴の代わりにクラスの女子の黄色い声が5組の教室に響いた。
麻生先輩?
なんでここに……?
驚きで目が点になっているあたしに、
ここにいるのは先輩は当たり前だといわんばかりで、にっこり微笑んだ。
「今日、一緒に帰ろうと誘いに来たんだ。
なんたって、ぼくたち恋人同士なんだから……ね」
そう言って、泣き黒子がある方の目でぱちりとウインクをする先輩。
先輩…………カッコよすぎです。