∮ファースト・ラブ∮

「おっと」

地面に追突する!!

そう思ったら、力強い腕があたしの腰にまわって顔面追突はどうにか免(まぬが)れた。



ほっとひと息つくと……。

「昨日のつづき…………楽しみだね」

「!!!!!!!!」

麻生先輩は顔面いっぱい笑顔でそう言ってきた。





昨日のって…………昨日のデスカ???????



ああ、だめ。

視界がグルグルしてきた。



全身の力が抜けて、麻生先輩の腕に身を任せると…………お姫様だっこされちゃいマシタ。


「フフ……手鞠ちゃんかわいいね。


捕まえた。

もう、放さないよ。

これから色んなことを沢山教えてあげるからね。


ぼくの純真な人魚姫」


耳元でささやくのはとても色香をまとった王子様の声。





いろんなことって何ですか!?


「そ、そそそそっそそれって、どういう意味ですか!?」

「どういう意味に聞こえる?」


んにゅわあああああああああああ。




お母さん、お父さん。

あたしはこれからどうしたらいいのでしょうか?


いろんなことって、いろんなことって!!



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