∮ファースト・ラブ∮

やったあ~。

誰もいない!!



ゴツゴツした岩に腰を乗せて、サンダルをぬいだ。


足を海水につける。



ツリ…………。

「!! ……っ!」


瞬間、少し両足に痛みがはしった。


だけど、痛みは次第になくなっていく…………。

かまわずそのまま足を海水につけていると…………あたしの足は虹色の鱗を纏ったしっぽに変化していた。



太陽のギラギラした熱い光と水の冷たさがいい感じで重なって、あたしを心地よくさせる。



しばらく鱗のついたしっぽを海水につけて上下に揺らしていたら…………。




――――泳ぎたい。




なんていう感情が芽生えてきちゃったりなんかしちゃった。



だって……だってね?

海水って、遠くから見ると青いでしょ?

でも、近くに行って水を見れば透き通っていて、とっても綺麗なんだもん。


海が青いのはなんでだろうって、疑問もでてきたりなんかしちゃって……。



あ、でも……あたし水着持ってきてない。



う~ん。

このままでもいっか。

入っちゃえ!!





バシャン。





あたしは白いワンピースを着たまま海の中に潜っちゃった。



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