初デートは二人きりで?
「だからそれは俺の自己満足だって。それに見えないなら雪乃ちゃんもそんなに困らないでしょ?」


「…帰りの電車では見えます」


「…じゃあ、俺が見えないように囲っとくとか?」


「………」


「…えっと…怒ってる?」




段々と減っていく私の口数に、先輩が少し不安げに顔を覗き込んでくる。


別に怒ってるんじゃない。

先輩の想いは嬉しいし、“これ”も、恥ずかしいけど、嫌じゃない。



(でも…)


私は小さく首を横に振ると、真っ直ぐ先輩を見つめた。



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