深愛
普段は、なるべく顔は見ない。
見たいけれども見ないようにしている。

だからね、こっそり覗き見る感じで視ている。
私の目が段々と暗闇に慣れてくると、はっきりと像が浮かび上がってくる。
そっと、撫でる。
撫でて、なぞる。

あなたの小さくて丸くて可愛らしい目を覆い隠す瞼。
唇は女より女らしく、
大き過ぎず輪郭を形良く縁取る、ふくよかな口元。
それに反して男らしく構えた佇まいの鼻。

それらを整然と包み込んで配置している輪郭、顎が良い。
それを支える首筋、鎖骨、胸…
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