シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
 
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ゆらゆら、ゆらゆら。


まるで細波に漂っているような感覚。


ゆらゆら、ゆらゆら。


あたしであるのにあたしではないような…意識と肉体が上手く結合ついていない感覚。


流される。


あたしは――流される。


行き着く先は何なのか。

そこには出口があるのか。


もしも思い出したくも無い衝撃的な過去が現実だというのなら、どうかあたしをそのまま未来に流して。


これが――夢?

あれが――夢?


ゆらゆら、ゆらゆら。


もしも全てが夢の出来事であるならば、あたしは早く目覚めたいんだ。


辛いこと、苦しいことはもう沢山だから。


目が覚めて、皆で笑いあえる日常に戻れれば。


そう何一つ変わらない日々を過ごすことが出来れば。


お願い。

あたしを…

皆が笑顔で居られる場面に…


流して…?



閃光。



光があたしを導く。


あたしが居るべき場所へ。

帰るべき場所へ。




反転。


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