シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
櫂の手首に巻いた布。
あたしはいつも櫂に居る。
櫂の幸せを願っている。
――これはね、何処まで…騙されるかが主題(テーマ)なんだよ?
全ては氷皇独特の戯れ言。
櫂はお父さんの処に行けばいい。
そしたら終わる!!!
こんな茶番劇は、幕を閉じるんだ!!!
――そうとは、思っていない。…煌という男は。
終わるの、全てが元に戻るの!!!
「櫂ッッ!!!」
大きく手を振った。
櫂に伝われ。
此処まで来れば、応援するしかないあたしだけれど。
だけどゴールまであと少し!!!
だけど櫂は振り向かない。
酷く思いつめたような面差しで、走っている。
何、まさかあたしのこと無視!!!?
「櫂ッッ!!!?」
もう段々と怒鳴り声になってきた。
判っているけどさ。
必死になる場面だってわかってはいるよ?
だけどね、だけど少しぐらい…
「櫂ってばッッッ!!! ちょっとくらいこっち向きなさいよッッッ!!!」
その顔をあたしに向けて?
ねえ…あたしを見て?
そんな思いを込めたあたしの声に、櫂はびくんと身体を震わせて…小猿くんを放ってあたしの所に飛んでこようとした。