シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
 
「芹霞、ギブギブギブッッ!!!

遊んでる暇ねえんだよ!!!


玲が、玲が――

倒れたんだ!!!」



身を捩じらせがら、叫んだ煌に。


あたしは思わずその手の力を緩めて…若干涙目に潤んだ褐色の瞳を覗きこむ。



「倒れた――? 心臓発作!!?」



過去何度か経験ある。


見ているだけで心臓を鷲掴みにされるような、あまりに苦しそうな玲くんの発作。



「発作…は、ただ触発されただけだろう。


玲が――


錯乱したんだ」



言い難そうに、だけど煌は真っ直ぐあたしを見た。




「突然、喚いて叫びだした。櫂を掴んで離さない。


ずっとずっと玲は叫び続けていた」



"錯乱"



にっこり、ほっこり。


お日様のような優しい玲くんが?




「原因は何だか俺らには判らねえ。櫂と桜が玲についている。桜がニトロ飲ませたけれど、あのままでいけば…搾り出すようなあの絶叫に、玲の心臓が先に壊れやしないかと心配だ」

あたしは――



携帯を握り締め、慌てて櫂に電話をかけた。
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