シンデレラに玻璃の星冠をⅠ

だけど――

「だから、好きだといってるのに、皆から愛されているって言ってるのに、全然信じないのは、あんたの方でしょう!!?

意固地になり過ぎてるあんたが悪いんでしょう!!?」


負けない。


芹霞の玲に対する思いは、この玲にも負けない。


――レイ…。


「あんたが本当の玲くんだというのなら、玲くんの"心"だというのなら、その"心"で周りをよく見なさいッッッ!!! 否定される苦しみが判るなら、あたし達がどんな思いで今、あんたを見ているのか判るでしょう、この馬鹿者ッッ!!!」


――カワイイレイ…。


「紫堂…な、何だ? …師匠を呼ぶ、この声…」

「狂気が…増してる。芹霞の声を阻む壁となろうとしてる!!」


それは玲の抵抗なのか。


――モドッテオイデ…。


「煩い、お前達に何が判るんだッッ!!! どうせ…"僕"を嘲り笑っているだけのくせにッッッ!!!」

「この分らず屋!!! 何で年上のくせにそんなに聞き分け悪いのよッッッ!!! ああ、もうその黒い頑固なもの、たわしとマイペットで思い切り擦り落としてやりたいわッッ!!!」


コゲ扱いされた玲は憤る。


「偽者扱いされて悔しい!!? だったら本物だとあたし達に判らせなさいよ、こんな暴力なんかじゃなくッッ!!!」


――レイハオカアサマダケノモノ…。



「馬鹿に…するなアアアッッッ!!!」



絶望、絶望、絶望。


鳶色の瞳は、暗黒に囚われる。


俺は、吸収する力の威力を倍増させた。


吸い込んでも吸い込んでも、玲の狂気は薄れない。


どうしてだ!!?


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