覆される都市伝説
たどり着いたのは、地下倉庫。

壁際にワインの樽や棚が置いてあるだけだが、その床は広い。

「一見は何の変哲もないみたいだけど」

マノンは影から飛び降り、床に降り立つ。

すると床から黒い光の魔方陣が浮かび上がった。

「床には移動式の魔方陣が書かれてあって、力を持つ者が踏むと作動するって仕掛け。うん、なかなか良いね」

「いや、この方法はセツカがよくする方法だよ。ほら、マノンも一回引っかかっているだろう?」

リウの言葉で、思い出したマノンは引きつった笑みを浮かべた。

「…ああ、そうだった。偽の情報を掴まされた挙句、こういう方法で足止めされたんだった」

「流石はキミの甥。やることが凝っているね」

「…それ、絶対褒め言葉じゃないだろう?」

「感心はしているよ」

リウもマノンに続き、魔法陣の中に入る。
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