覆される都市伝説
『力? どっどういう意味?』

女の子は黙って等身大の鏡を指さした。

『…うそ…』

昨夜はピンボケした白黒写真に映ったようなわたしの体。

けれど今朝は色が付き、形はまだ少しぼんやりとしているものの、生前の姿に近くなっている。

布団から慌てて飛び出し、わたしは鏡の前に立った。

『どっどうして…』

「私は力尽きたモノに、自分の力を分け与えることができるんだ。でもまあ一時的なものだし、この部屋の中という条件がある。とりあえず、メシを作っといてくれ」

女の子はのっそりと布団から出て、部屋からも出て行った。

『あっ、待って!』

ふすまを開けると、そこは広いリビングルーム。

ダイニングキッチンもあって、かなりの広さがある。
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