覆される都市伝説
生前はおばあちゃんが縫ってくれた浴衣を着て、お祭りに行っていた。

…今はもう、遠い昔のこと。

「なら行くか」

マカはパソコンを閉じて、ケータイ電話を取り出した。

そして操作して、ふとその動作を止める。

「ああ、ちょうど今夜、近くの神社であるな。ソウマに言って、浴衣を届けさせるか」

そう呟いた後は、電話をし始めた。

「あっ、ソウマか? わたしだが…」

マカはサクサク行動をするけれど、わたしはイマイチ気持ちが付いていけてない。

なので電話を終えたマカに、聞いてみる。

「でもマカ、わたしの行動範囲はこの部屋だけだって最初、言ってたじゃない」

「アレからもお前には私の気の力を注ぎ続けていた。短時間なら、外に出ても大丈夫だ」

「気の力を…? あっ、だからそんなに顔色が悪いの?」
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