1/3の微妙なカンケイ
説明があって、あたしたちは泳ぎだした。

背が届くまで歩いて、泳ぎだす。

タクトはニンマリ笑った。

「奏はもらった」

言って顔を沈めると、平泳ぎを始める。

あたしは、一気に必死になった。

本当に泳げるのなら、男の子にまともに平泳ぎでなんか勝てない。

波と距離のある海では不利なのに、あたしは、クロールを選ぶ。

負けない。

絶対。

奏ちゃんが、待ってる。

遠泳とか言いながら、ゴールはすぐ目の前だ。

100メートルくらい先に見える、島。

穏やかな波。

でも、プールとは違う。
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