雪中恋心


通話を終了して寝る直前にメールをした。



《今日も遅くまでごめんね。ゆっくり寝てね》



そして、届いた返信に驚いた。




《寝るのは、あいが居ない時だけだよ!


……って、メールでは大丈夫なんだけどな…》








顔が発火。





「……なんだよ、もう」





……ずるい












翌日。
いつものように何気ない雑談をしていたときだった。






『…あい。』

「え?」

『…う…うぐぁ、な、なんでもない…』

「…っ…」

『あれ…ど、どうしたの? 嫌、だった…かな…?』


「い、いや……そうじゃ、ないけど…」







真っ赤になって伏せているとは言えなかった。










「けいって呼ぶの、私だけなんだよね?」

『うん、そうだよ』

「…私も、あいって呼ぶ人いないんだよ」

『そうなの?』

「みんな、藍華とか宮園って呼ぶからね。」

『じゃあ……僕だけ?』

「うん。……けいくんは特別だからね」



そう笑うと、彼もつられて笑った。




『…あいも、僕の特別だよ?』


< 9 / 12 >

この作品をシェア

pagetop