好きって言って!(短編)
私、小林菜々と吉成淳也は中学からの腐れ縁。

背が高くて男勝りな性格だった私は、何かにつけて淳也と張り合っていた。

だけどその敵対心はいつしか恋心に変わっていて。

それに気付いたときには、淳也は他の子を目で追っていた。

同じ大学の西園まりえ。

ファッション誌の読者モデルをやってる彼女はかわいくて、小さくて、とにかく私とは正反対。

学科もサークルも違うのに、あんな難易度の高いところを狙うなんてさ。

高校までバスケバカだったくせに、淳也はどうかしてるよ。


淳也の部屋で、彼女が載ってる雑誌を見つけたとき、

「うわ、淳也ってばストーカーじゃん。
ドーテーって怖っ!」

カマをかけたらビンゴだった。

真っ赤になって顔を背けた淳也を見て、欲望がむくむくと膨れ上がったのを今も覚えてる。

「そういうお前はどうなんだよ」

「とっくに済ませましたー」

嘘つくことに躊躇はなかった。

初めての女になって、淳也の身体に私を刻み付けたかったんだと思う。

「教えてあげよっか、女の子のカラダ。
ドーテーじゃ、格好つかないもんね?」

単純な淳也のことだから、挑発すればどう出てくるかなんてだいたい想像がついていた。

そして。

その日から、エッチを教えてあげるという口実で、淳也とカラダの関係を持つようになったんだ。

私を気持ち良くさせられるようになるまでの期限付きで。
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