一途愛
信じあう試練
担任の言葉が頭の中をぐるぐるまわっている。

「宗方は 四月からアメリカに留学することになった。
今日でここで過ごすのが最後になるから
いい思い出作れるように 協力してやってくれ。」

「お世話になりました。けっこうたのしかったです。
みんなも将来のために頑張ってください。」


嘘だよね・・・・。
何もまだ話てないじゃない。


「龍・・・・・。」

話かけてみた。

「ごめんな。急だけど・・・・。」

「話したいよ。」

「時間がないんだ。」

「そんな……。」

「ごめん……。」


泣きそうだったけど我慢した。
みんなの前では絶対に 泣かない。
いじめられていた時は 意地でも泣かなかったのに
今は 涙が気を抜くと溢れてきそうだった。


「家まで送って行くよ。」

放課後 龍がそう言った。


涙がポロポロ流れ落ちる。
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