一途愛
甘い時間
力のない体を必死に手だけが必死に
宗方の背中にしがみついている。

宗方がやっと唇を解放してくれたらすぐに
胸に顔を埋めた。

「どうした?」

「だって恥ずかしいから。顔見ないで。」

宗方はケラケラと笑って私の頭を撫ぜてくれた。

「宗方くん……
でも学校では…他人のフリしててね。」

「何で?」

「宗方くんまで 巻き込みたくないから。」

「どうかな。」

「お願いだから私が何を言われてもされても知らない顔して。」

「俺 けっこう闘うの好きだから安心しろ。」

「そういう問題じゃない。宗方くんにはわかんないんだよ。
いじめがどんなにひどいことなのか。」

「俺の大切な女をいじめられるのはおもしろくない。
おまえをいじめるのは俺だけだから。」

「え?いじめるって…?」

「たくさんいじめてやる。俺のまえだけで……。」

そう言うとまた私の唇を奪う。

「ね…もう…おねが……い……。」
どうにかなってしまいそうで…必死に体を離そうとしても

「ダーメ。」今度は頭の中がガンガンするような
熱いキスに変わる。


唇を離して 宗方が笑った。

「たくさん…いじめてやるから覚悟しろよ。」

「宗方くん…。」私は深呼吸しながら呼吸を整える。

「龍って呼べ。今度宗方くんって言ったらその場でキスすっからな。」

龍って呼べるのは特別な女の子だけ…
私は特別な女の子でいいの?

「わかったか?姫……。」

そう言うとまた キスをした。
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