繋いだ手
「だってね、今まで、悩んだこといっぱいあったじゃん?

ソレ、考えてみて!


その悩みって、未解決の事一個も無いでしょ?


時が経てば、自然にみえてくる事ってあるんだよ。


簡単にみつかるくらいのものなら

初めから悩んだりしてないし、そんなに、自分を煽ったらかわいそう。

悩んで、悩んで…辿り着かない答えなんて、一個もないんだよ!

だから、あせらず、ゆっくり行けばいいよ!


自分にいい聞かせて!」




ちょっとのつもりが、熱くなってしまった。



眉間にしわのその表情に、

この後すぐの約束を、一瞬忘れて、あたしの気持ちにスイッチが入ってしまった。


「あつ、もう時間ないっスよね?」


我に返りカーステの上のデジタルに目をやった。


「ごめん、めっちゃ、中途半端で悪いけどいくわっ」

「また、近々続きいいスか?」


ドアを半分締めかけながら、慌ててくれてる善に、

右手観音に頭を下げたあたしがジェスチャーで返した。
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