現代都市伝説物語~恋愛魔曲~
純輝の近くに屈んで、幹彦が足元を探す。


そして、小さな箱を発見すると、それを拾い上げて立ち上がった。


そして、純輝の前に、小さな箱を掲げる。


「沖本。お前が踏んだのは、これのようだ」


「え?箱…?」


理緒と流依の視線も、幹彦の手にある物体へと集中する。


「それは…」


「マッチ?」


「どうやら、そのようだ」


理緒の言葉に、幹彦が頷く。


「ロウソクに火がつけられるねぇ!」


幹彦の手から、マッチを奪い、理緒はロウソクの方へ駆け寄った。


そして、マッチを一本、箱の中から取り出す。


――シュッ。


箱の側面で、マッチを擦り火をつけると、一気に理緒の周りが明るくなる。


理緒は火のついたマッチを、ロウソクの方へ近付けて火をつけた。


すると、部屋の中が、だいぶ明るくなった。
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