現代都市伝説物語~恋愛魔曲~
「ようこそ、占い師の館へ」


女が、不気味に笑う。


――ゾクッ。


悟志達は、寒気がした。


「京極、木下」


悟志と幹彦は、流依の方へ目をやる。


「私や流依が見た占い師は、コイツじゃないよ…」


流依が言うと、女は意外そうな顔をした。


「あら、貴女。ここに来たの初めてじゃないの?」


「三度目だね」


「そんなに、沢山、悩みがあるの?」


「そうだね。あるね」


「私に、話してみてよ。若い娘だから、恋の悩みかしら?」


「あ、ああ…」


流依は顔を赤らめて、俯きながら頷く。


「え?」


幹彦が意外そうな顔をすると、流依に鋭い目つきで睨まれた。


思わず、幹彦は黙る。
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