サンドグラス ~アルツハイマー闘病記~
純一は

一人家に帰り

家の辞書で

子供の名前を

考えた。

次の日、

純一は

朝一番に

病室へ行った。

「おはよう。

 子供の顔が

 見たくて

 早起きして

 来たよー。」

有喜は

笑顔で

「子供みた~い。」

と言った。

純一は

「子供の

 名前

 考えてきたんだ。

 有喜は

 昔から

 向日葵が

 好きだったろ。

 だから、

 『葵』

 ってどうかな?

 葵って

 まもる

 って意味も

 あるんだ。

 俺達

 二人の愛を

 これからも

 守る

 って意味でも、

 俺達の子供に

 ふさわしい名前と

 思うんだけど、

 有喜はどうかな?」

純一は

有喜に尋ねた。

「いい!

 可愛いよ!

 葵ちゃん♪」

有喜は

何度も子供の名前を

呼びながら、

頬を

プニプニ突っついた。
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