蝶が見る夢
少女はようやくティーカップに手をつけた。
「本当は自分だけを見ていて欲しいのにね。辛いよね。もう、やめたくなったりするしさ」
少女がこくりと頷く。
女の子に必要なのは、“共感”なんだ。
嬉しいことも、悲しいことも…痛いことも。
「あなたのことは分かるよ」って示してあげることが、何よりも大切だということを、私は知っている。
15歳の私には、そんな人が一人もいなかった。
大衆に分かって貰えないことを、誰かひとりでも分かってくれたら、それだけで希望になったのに。
この子だってそうだ。
「夢中になっている出張ホストにうつつを抜かして、自宅まで押しかけちゃいました」だなんて、誰が共感してくれる?
「それでも、私には匠しかいない。だから愛想を尽かすことができない。そうすると、次第に匠も応えてくれる」
「本当は自分だけを見ていて欲しいのにね。辛いよね。もう、やめたくなったりするしさ」
少女がこくりと頷く。
女の子に必要なのは、“共感”なんだ。
嬉しいことも、悲しいことも…痛いことも。
「あなたのことは分かるよ」って示してあげることが、何よりも大切だということを、私は知っている。
15歳の私には、そんな人が一人もいなかった。
大衆に分かって貰えないことを、誰かひとりでも分かってくれたら、それだけで希望になったのに。
この子だってそうだ。
「夢中になっている出張ホストにうつつを抜かして、自宅まで押しかけちゃいました」だなんて、誰が共感してくれる?
「それでも、私には匠しかいない。だから愛想を尽かすことができない。そうすると、次第に匠も応えてくれる」