王子様と林檎飴
ボーっと黒板を見つめていると
隣の席にメガネをかけた男が座る






別に気にも留めずに居ると彼は






「俺、長岡亮。隣の席だしよろしくな。」





長岡?……ナ行なのに隣の列なのね。
ナ行の名字が多いのかしら?






「おい、お前。名前は?」






お前だなんて失礼ね
デリカシーの無い人は苦手。






それ以前に男の人が苦手なのよね
親バカの父が男を寄せ付けないように
していたせいで慣れていないの。






共学に通わせるのだって渋々だったけれど
母が「いつまでもそれでは大人になれない」
と理由をつけて通わせてくれることになった。







「猫柳彩です。」
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