羽ばたく鶴
タイトル未編集
俺にはもうどうやって生きていけばいいのかわからない。俺が生きたところで誰が喜ぶのだろうか。
ふと病室から外を眺める。五月らしい景色が広がっていた。あぁ、俺がいなくても世界は回っているんだな。
「失礼します。元気そうですね」
看護婦が入ってきた。
「何か飲みますか?」
「はぁ。じゃあ水を」
「水ね。わかりました」
そう言うと看護婦はすぐコップに水をくんできてくれた。俺はコップの中の水をじっと見つめる。
「どうかしたんですか?」
「いや、何でも」
気まずい…というか会話にならない…
看護婦も気まずかったのか「じゃあまた来ますね」と告げると出ていった。
沈黙…
俺はただ一人コップに見入る。
少し揺らすと波のような動きを見せる。
綺麗で心が洗われるようだった。こんなことを考えるなんて…と俺は可笑しくなって苦笑いした。
今、俺は病院でこんな日々を送っている。この病院に入院しているのは怪我をしたからでも、病気だからでもない。健康なのだ。
ただ病院側としては俺を放っておけないらしい。
最初に言ったが俺には生きる価値がわからない。死んで同然なんだ。そう思い込んでいる。
『支えあう』という四文字が辛い言葉になった
のはつい最近のこと。
俺は、大切な両親を亡くしてしまったんだ。
ふと病室から外を眺める。五月らしい景色が広がっていた。あぁ、俺がいなくても世界は回っているんだな。
「失礼します。元気そうですね」
看護婦が入ってきた。
「何か飲みますか?」
「はぁ。じゃあ水を」
「水ね。わかりました」
そう言うと看護婦はすぐコップに水をくんできてくれた。俺はコップの中の水をじっと見つめる。
「どうかしたんですか?」
「いや、何でも」
気まずい…というか会話にならない…
看護婦も気まずかったのか「じゃあまた来ますね」と告げると出ていった。
沈黙…
俺はただ一人コップに見入る。
少し揺らすと波のような動きを見せる。
綺麗で心が洗われるようだった。こんなことを考えるなんて…と俺は可笑しくなって苦笑いした。
今、俺は病院でこんな日々を送っている。この病院に入院しているのは怪我をしたからでも、病気だからでもない。健康なのだ。
ただ病院側としては俺を放っておけないらしい。
最初に言ったが俺には生きる価値がわからない。死んで同然なんだ。そう思い込んでいる。
『支えあう』という四文字が辛い言葉になった
のはつい最近のこと。
俺は、大切な両親を亡くしてしまったんだ。