しゃぼん玉


二限目の授業を終えたミズキ達は、ナナセが待つ校門へ向かった。

今日はもう、午後の授業はない。


マナは夕方からピアノのレッスンがあるし、シュンも夜からマナの両親が経営するリゾートホテルでのバイトがあるが、

昼間の自由時間はミズキのために割(さ)いてくれることになった。


ミズキは自分のせいで二人の時間を邪魔してしまうことに申し訳なさを感じ、

「ごめんね。二人とも忙しいのに……」

するとマナは凛々(りり)しい表情で、

「謝らないで? 友達でしょ?

頼ってくれない方が寂しいよ」

「そうだって。遠慮してる場合じゃないだろ?

ミズキの身に何かあったら、ナナセも悲しむじゃん。

俺ら、出来るだけ力になるから、気なんて使うな」

シュンもミズキの気持ちを明るくするためにサバサバした話し方をする。


ミズキは二人の気持ちに、心から感謝した……。

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