コントラスト~イケメン達のLOVE争奪戦~
「母さん。父さんは?
仕事、泊まりだったの?」
なんの心配もなく無邪気に母さんに問うた。
母さんは
俺を振り返り
いつものように優しく笑っていた。
「そうみたいね。
父さんは、きっとすぐ帰ってくるわ。」
俺はその母さんの言葉を鵜呑みにした。
母さんの目に、光がないことに全く気づかなかった。
母さんはそれからも
これまでと同じく、3人分の食事をつくり
俺がテストでいい点数をとったりすると
『父さんにも見せてあげないとね。』
と笑うのだった。
なんの変わりもない、と思っていた。
でも、さすがに一週間たっても
父さんは帰ってこないということを、
幼い俺も不審に思った。
けれど、何度父さんのことを聞いても
母さんは
『今日は遅いのよ』
『会社の人と飲んでるんだって』
『明日は帰ってくるわ』
と笑うだけ。
そこではじめて、母さんの瞳がなにも移してないことに気づいた。