しみる恋。

「ごめん……」


彼女の示した好意を、情を、はきちがえた。

それだけだった。

豊は身を引いた。


「さよならだ」


彼は地を蹴った。

海の向こうに、彼の棲む場所がある。

キラキラしい、仲間たちのいる海辺へ、そうして戻った。



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