[続]愛しき人
相変わらずの俊哉の傲慢ぶり・・・

こんなに甘いくせに独占力がつよく、
心配性な俊哉が、
今は経済誌を飾るイケメン敏腕社長とは・・・

笑ってしまう…


私は課内での反応が一番怖かった・・・

「課長もエリさんも知っていたんですか?」

「もちろんよ。美咲ちゃんは私の後輩だからね・・・」

「そうなんですか?でも、社長ってむかしここの課長だったんですよねぇ。
 ・・・甘かったですか?今まで来てたのも心配で来てたんですよね・・・」 

「そうだけど・・・アッー…ここでは甘さも何もなかったわよ。
付き合っていた時も・・・みさきちゃんなんて何度泣かされたことか・・・
あれでも毒舌しかはかない男だったから・・・そうですよね・・・前田課長・・・」

「まあ、美咲ちゃんの前で言うのもあれだが・・・
俺は「アホ・バカ・クズ・脳みそあるのか・・」をよく言われていたなぁー・・・
あの人、仕事になると人間じゃないんだよ。
今は愛妻家として知られているから、そんな風に見えないだろうけど・・・

今の俺がいるのはあの人のおかげ・・・仕事に対する姿勢も・・・
あの人の下で働けたことを今でも感謝しているよ。
そんな人が信頼をして仕事を任せていた美咲ちゃんだから、仕事復帰も可能だったんだよ。今まで通りみんなも安心して仕事をしてください。
社長はその点はきちんと分けるから・・・
ただし、飲み会とかあったら一緒に参加もあるかもなぁー・・・美咲ちゃんにべたぼれだから・・・」

『課長・・・恥ずかしいですぅー・・・』

「確かにべたぼれは分かる気がします。けど…あんなイケメンで毒舌って考えれませんが・・・いつも紳士な感じ・・・

でも、美咲ちゃんの仕事ぶりはみんな分かってますから・・・社長が今まで通りでOKと言うなら問題ないですよね・・・」

「おう。そうだな。美咲ちゃんも今まで通りでOKかな?」

『もちろんです。ここは仕事をしに来てますか・・・よろしくお願いします。』

みんなの態度に涙が出ちゃうよ・・・
俊哉の説明もよかったのかもしれないけど・・・

これで、やっと隠し事なしでいられる・・・



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