マイペースくんの攻略法
「ミケ! ちょっと、離して」
足がもつれそうになりながら必死でついていき、ミケに抗議の声を上げた。
それも無視して、ミケは私を屋上に連れて来た。
「……」
黙り込むミケに問い詰める。
「彼女は!?」
「……今、別れた」
「ええ!?」
そんな簡単に……
いくらなんでも可哀相だ。
そのフラれた女の子が自分と重なって、私まで悲しくなってしまう。
ミケはいつも気まぐれで、私たちは振り回される。
ミケは俯いたまま一言ずつ、言葉を紡いでいった。
「話すな、って、言うから」
「……?」
話すな?