マイペースくんの攻略法

「ミケ! ちょっと、離して」


足がもつれそうになりながら必死でついていき、ミケに抗議の声を上げた。

それも無視して、ミケは私を屋上に連れて来た。


「……」

黙り込むミケに問い詰める。


「彼女は!?」

「……今、別れた」

「ええ!?」


そんな簡単に……

いくらなんでも可哀相だ。

そのフラれた女の子が自分と重なって、私まで悲しくなってしまう。


ミケはいつも気まぐれで、私たちは振り回される。


ミケは俯いたまま一言ずつ、言葉を紡いでいった。


「話すな、って、言うから」

「……?」


話すな?



< 16 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop