マイペースくんの攻略法
「だから、幼なじみと話すのが、なんで駄目なんだって思ってた」
トドメをさすには、充分過ぎる言葉だった。
じわ、と涙が滲むから俯いて隠す。
「でも」
「?」
ぐっと手に力がこもって、私は顔を上げてしまう。
綺麗で、猫みたいに大きくて、力強いビー玉みたいな瞳。
さっきの泣きそうな顔とは全く違う。
「……昨日、ミイが鞄取りに行った後、ミイ、来るの遅かったから俺も教室に行こうとしてたんだ」
「え……じゃあ」
村瀬くんとの話、聞いてたって事?