Vrai Amour ~秋緒の場合~
エピローグ~本当の開放~
「おめでとうございます」


「ありがとう」


そんな言葉がひっきりなしに交わされる日。


俺の隣には真っ白なドレスを身に纏った大切な人がいる。







あれから2年。

遊びまくっていた俺は、千夏のおかげで目が覚め

じいさんの会社で正社員として働き始めた。

もともと勉強だけはできたので、実力主義の社内でも評価があがるのは早く

その評価のおかげもあって、小早川家の経営する会社に課長として引き抜かれた。

もちろん、将来は千夏との結婚も考えてのことだった。

一人娘の千夏のために、俺は婿養子に入ることに決めたのだ。

両親がいない俺にとって、それはまったく苦ではなくじいさんも手放しで喜んでくれた。

小早川の家は、そうして俺の「家族」になっていった。




そして、千夏が高校を卒業した春。

ようやく千夏を花嫁にすることができた。
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