△~triangle~

『ごめんね……もう会えない』

彼のその言葉に、頭を殴られた様な衝撃を覚える。

『……どう……して?』

その震える問いに彼は答えず、困った様に笑うだけだった。

『さようなら……綾香ちゃん』

彼は初めて私の名を呼ぶと、そのまま背を向けて歩いて行ってしまう。

『待って!』

その叫びに彼が振り返る事は無い。

彼の背中が遠くなり、忍び寄る闇に包まれ……そして見えなくなる。
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