△~triangle~

「これからちょっと出掛けてくるから、夕ご飯は二人で食べて……」

「どういうつもりだ」

蓮の言葉を遮り、擦れた声で呟く。

すると蓮は小さく首を傾げ、クスリと吐息を漏らした。

「どうって……多分君が今考えている、最悪の結果かな」

嘲笑う様な蓮の答えにグッと拳を握り締め、咎める様な視線を蓮に向ける。

すると蓮は悲しそうに瞳を揺らし、そっと俺から視線を逸らした。

「いつかはこうなる日が来るって分かってたはずじゃないか。ずっと一緒には居られない。ノラのお陰で……それが速まっただけだよ」

蓮はそれだけ言うと、立ち尽くす俺の横を通り抜け……外へと出て行ってしまった。

バタンと大きく聞こえた扉の音と共に、俺達の決別の時を理解する。

それはずっと分かっていた事で、でもずっと気付かない振りをしていた悲しい事実。
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