△~triangle~

「愛してる。愛してる……ノラ」

まるで呪いの様な俺のその言葉に、ノラは何も答えず、しかし……俺の背中にそっと手を回してきた。

そのまま彼女をベッドまで連れて行くと、そっと彼女をベッドの上へと寝かせた。

そしてまた唇を重ね、まるで奪うかの様にその唇を貪る。

……ただの慣れ合いなのかもしれない。

一時の寂しさを紛らわせるだけの、そんな愚かな選択なのかもしれない。

……でも、それでも構わない。

……構わないんだ。

「愛してる……ノラ」

その狂おしい愛の言葉と共に……ただ強く彼女を抱き締める。

「……あ…きら」

擦れ震えた声が俺の名を呼び、それに小さく笑みを返すと、そっと彼女の手に指を絡める。

すると彼女は悲しそうに瞳を揺らし、それからギュッと……俺の手を握り返してきた。
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