△~triangle~

「僕は……どうすればいいの?」

決して返って来る事のない問い掛けを、動かない祖母に掛け続ける。

《蓮、美味しいかい?そうかい、もっとたくさんお食べ》

《凄いじゃないか!テストで百点なんて!ばあちゃん鼻が高いよ》

そんな懐かしく優しい記憶の声が頭の中に響き、それは僕の胸を抉る様に僕の心に突き刺さった。

『ひとりぼっちは……嫌だ』

あの人が帰って来ない事に悲しくなり、そう呟いた幼い僕に、祖母は優しく笑ってくれた。

《……大丈夫。ばあちゃんが傍に居るよ》

そう言ってしわしわの顔をくしゃくしゃにして笑う祖母が、僕は大好きだった。

いつも僕の傍に居てくれた……大切な人。
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