△~triangle~

「ほら!」

その声と共にドンと乱暴に置かれたグラスをそっと見つめる。

するとそこには透明な液体に、大粒の氷がユラユラと揺れているのが見えた。

「……これって水じゃん。ここはバーでしょ?お酒をください……マスター」

そう言ってグラスを彼の方へと突き返すと、和也は苛立ったように小さく舌打ちをした。

「んなベロベロの奴にウチの酒の味が分かるか!!酔っ払いはさっさと引込んで寝ろ!!」

彼はそう言ってカウンターから出てくると、そのまま僕を引き摺り店の奥の部屋へと進んで行く。
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