△~triangle~

「……いってきます」

そう三人の声が重なり、小さく手を上げると……そのまま歩き出す。

……それぞれの行くべき場所へ。

霊園を出ればそれぞれの足が行くべき場所へと向かって行く。

もう言葉はいらない。

何故なら私達には分かっている。

必ず私達はあの場所へ……あの私達の《居場所》へ帰って来るのだと。

そっと後ろを振り返れば、二人の離れて行く背中が見える。

それは今となっては、何よりも大切な二人。

……二人なら……きっと大丈夫。

そう心の中で小さく呟くと、そっと空を見上げる。

すると何処までも続く青い空で、眩し過ぎる太陽が燦々と光っているのが見えた。
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