△~triangle~

「あとの事は俺に任せておけよ。俺はアンタが出来なかった事、絶対にやり遂げて見せるから。だから心配スンナよ……親父」

そんな呼び方をしたのは十年くらい振りで、微かな照れを隠しきれないまま、ボリボリと頭を掻きそっと顔を逸らす。

そんな俺の姿を見て父は優しく笑うと、《それは楽しみだ》と呟いて……溢れ出る涙をゴシゴシと拭っていた。
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