△~triangle~

「……最低だな」

少し自嘲気味に笑って、蓮を強く抱き締めた。

……俺の憎くて愛しい……たった一人の兄弟。

「にゃお~ん」

蓮を抱き締めたまま、猫の鳴き声の方へと視線を向ける。

そこには円らな黒い瞳をまん丸に見開いた……ノラの姿が見えた。
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