リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
夢の中の彼女より、少し大人の横顔だった。
それでも、真っ直ぐ前を見つめる綺麗な目は、変わらなかった。


心の中に。
柔らかで、暖かな、明かりが灯る。



疲れた夜だった。
もう、クタクタで、泥のように深く眠りついてしまいたくなるような、疲れた夜だった。

心に刻んだ彼女の顔を。
何度も何度も思い出し、戦ってきたような夜だった。





彼女がいた。
一度は諦めた彼女が、いた。

そこに。

彼女が。







いる。







俺は、ゆっくりと体を起こし声をかけた。


「おはよう」



ふわりと、微笑んで。
彼女は、真っ直ぐに俺を見た。
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