リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
明子の会社には、社員食堂がある。
が、食堂のおばちゃんはいない。
もちろん、おじちゃんもいない。
近くにある弁当やとパンやが、時間になると数種類の弁当や調理パンを持って出張してくる。
大量に持ってくるわけではないので、スタートダッシュで出遅れると、入手不可というときもある。
だから、雨の日など外に出るのが面倒な日は、ちょっとばかり殺気立った争奪戦が繰り広げられていたりする。
それに参戦する気力もないということもあり、明子はここ数年ずっと、他の女子社員たちと外に出て食べていた。
なので、うっかり忘れていた。
原則的に、食事は食堂でということになっていたことを。
(ああ)
(そうだわ)
(食堂に行くんだっけ)
給湯室でお茶を入れる寸でで、それに気付いて、弁当を入れたバックを片手に食堂に向かったが、時既に遅し、座る場所がなかった。
いや、ぽつりぽつりと、空いている席はある。
あるけれど、座り辛かった。
(お弁当組も、特に女子の場合はさ、集団なんだよね)
(うっかりと、一人でぽつんと食べていたら、いったいナニを言われることやらだわ)
食堂を見渡しながら、明子は思わず身震いしてしまった。
(今日のところは、自分の席で食べよう)
(そうしよう)
(パソコンと資料が無事なら、問題ないし)
(明日からは営業のお弁当組に、入れてもらおう)
そう判断して、回り右をして戻ってきたところで、木村がいつもの明るい声で話しかけてきた。
が、食堂のおばちゃんはいない。
もちろん、おじちゃんもいない。
近くにある弁当やとパンやが、時間になると数種類の弁当や調理パンを持って出張してくる。
大量に持ってくるわけではないので、スタートダッシュで出遅れると、入手不可というときもある。
だから、雨の日など外に出るのが面倒な日は、ちょっとばかり殺気立った争奪戦が繰り広げられていたりする。
それに参戦する気力もないということもあり、明子はここ数年ずっと、他の女子社員たちと外に出て食べていた。
なので、うっかり忘れていた。
原則的に、食事は食堂でということになっていたことを。
(ああ)
(そうだわ)
(食堂に行くんだっけ)
給湯室でお茶を入れる寸でで、それに気付いて、弁当を入れたバックを片手に食堂に向かったが、時既に遅し、座る場所がなかった。
いや、ぽつりぽつりと、空いている席はある。
あるけれど、座り辛かった。
(お弁当組も、特に女子の場合はさ、集団なんだよね)
(うっかりと、一人でぽつんと食べていたら、いったいナニを言われることやらだわ)
食堂を見渡しながら、明子は思わず身震いしてしまった。
(今日のところは、自分の席で食べよう)
(そうしよう)
(パソコンと資料が無事なら、問題ないし)
(明日からは営業のお弁当組に、入れてもらおう)
そう判断して、回り右をして戻ってきたところで、木村がいつもの明るい声で話しかけてきた。