キスはおとなの呼吸のように【完】
「掃除を手つだってくれたお礼です。ふたりで乾杯しなおしましょう」

なんというか、こういう笑顔が妙にうれしい。
まだまだぜんぜん意思の疎通はうまくないけど、こんな関係も悪くはない。

実家をでて以来、がちがちに肩をこわばらせてすごしてきたわたしのつまらない毎日に、カズトはこうしてあたりまえのようにいてくれる。

わたしにとってはそれがすごくありがたく、刺激的ではないにしろ、言葉にできない安心感をあたえてくれていた。
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