キスはおとなの呼吸のように【完】
10.先輩とふたりで
会社の近くでのんでいて変なうわさが立っても、おたがいに困るだろう。

大上先輩の提案で電車にのってわたしのアパートがある駅にむかった。
郊外に住む大上先輩にとっては、おなじ路線の帰り道での途中下車というかたちになる。
十五分間電車に揺られ、毎日とおる見慣れた商店街に先輩とおり立った。

わたしも大上先輩のように、近親者のカズトに連絡くらいしておいたほうがいいのだろうか。
迷っていると、まえを歩く大上先輩がいった。
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