キスはおとなの呼吸のように【完】
もしこのまま解散してしまえば、わたしもカズトもしっくりいかず、へんに気まずくなってしまうかもしれない。

それよりも大上先輩に状況を説明してもらったほうが、いらぬ誤解をまねかずにすむ。

カズトも大上先輩ともっと話しをすれば、先輩が既婚者で、仕事上の関係だけで、悪い人ではないということが納得できるほどわかるだろう。

いささか変な空気ではあるが、わたしは先輩の意見にのることにした。

まずはむりやりにでもプラス思考に切りかえよう。
先ほど先輩もおなじことをいっていたと、自分自身にいいきかせる。

カズトのあきびん回収を待ち、軽のヴァンで三本酒店に三人でむかった。
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