キスはおとなの呼吸のように【完】
わたしがへとへとになっていると、カウンターのむこうからカズトがぽんと頭のうえに手をのせた。

「シオリ。おつかれさま」

この一度のお酒の席でカズトが理解してくれて本当によかった。

わたしはこくんとうなずいた。

「ありがと」

できることならこういう緊張は、もう二度と味わいたくない。
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