キスはおとなの呼吸のように【完】
カズトの店の立ちのみスペースではなく、ちゃんとした密室であるわたしの部屋ならば、さっきみたいに誰かにじゃまをされることもなく、恋人たちの時間を思う存分すごせるのだろうか。

そんなふうに考えると、先ほどのカズトの残念そうな顔を思いだし、もうしわけない気持ちになった。

「まあ、しかたないか」

いろいろ思いをめぐらせたが、そればかりはどうにもしようがない。

瞳をとじて、そのまま眠った。
< 77 / 380 >

この作品をシェア

pagetop