君想 ~友達から始まった恋~



「俺も」


愛菜に真似て、言ってみる。

嘘じゃない。雅也と離れたのは事実だ。別に違うクラスでも何が変わるってこともないけど。


「雅也くんと離れちゃったんだ…」

「ああ。」

「じゃあ一緒に行こうよ」


そう言って莉緒は俺の手を握った。

…今の俺、絶対顔赤いな。

そう思いながら

「…ああ」

と呟いた。


「顔赤いよ?大丈夫?」


突然愛菜の顔が近付いてきた。

バレないようにそっと顔を背け、素っ気なく返す。


「気のせいだろ。…早く行こうぜ」


「うん!そうだね」


そう言って、お互い教室に入った。






< 4 / 10 >

この作品をシェア

pagetop