ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
雪ちゃんとお兄ちゃんは、俗に言う“幼なじみ”。


だけど……。


それを言うと、二人は『ただの腐れ縁だよ』って眉を寄せて笑う。


今みたいに憎まれ口を叩き合う姿なんて、すごく仲が良さそうに見えるのに。


「……あっ、章太郎のせいで、渚が遅刻寸前だ」


「はっ?いや、雪緒のせいだろ」


腕時計を見ながら言った雪ちゃんに、お兄ちゃんがすかさず返したけど──。


「絶対に章太郎のせいだけど、今はそんな事言い合ってる暇もないんだ。急ごう、渚」


彼はお兄ちゃんを軽くあしらってから、あたしを促した。


< 18 / 500 >

この作品をシェア

pagetop