ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
お母さんは賛成する訳でも反対する訳でも無く、何も言わなかった。


母親として賛成はし難いけど、きっと反対する事も出来なかったんだと思う。


困ったようにしながらも微笑むお母さんに、胸の奥が締め付けられるように苦しくなったけど……。


あたしはそれをグッと堪えて、雪ちゃんの両親を真っ直ぐ見つめた。


「おじさん、おばさん……」


顔に戸惑いを浮かべたままの二人が、あたしの瞳を見つめる。


「雪ちゃんと結婚させて下さい。お願いします」


そう言った後、もう一度床に手を付いて頭を下げた。


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