ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「ごめん。待ったよね?」


息を切らしながら申し訳なさそうに眉を下げる雪ちゃんに、フワリと微笑みながら首を横に振る。


彼は苦笑を零した後、あたしの鼻をキュッと摘んだ。


「嘘つき。鼻、こんなに真っ赤にしてるくせに」


「本当に待ってないよ。寒いのが苦手だから、すぐに赤くなるだけだもん」


雪ちゃんに摘まれた鼻のせいで、変な声になってしまう。


「風邪引いたら大変だし、早く俺の家に行こ?」


心配そうな顔をしている彼の大きな左手が、あたしの右手をすっぽりと包んで優しく握ってくれた。


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